先輩の失敗談 ~FX地獄から抜け出せない日々~
今年(2011年)の話ですが、本業で、
派遣で来られた50歳ぐらいの年齢の方と一緒に仕事したことがあります。
私との年齢はかなり離れていましたが、
一緒に仕事をしていく中で、自然と仲良くなり、
徐々に仕事以外の雑談もするようになっていきました。
とある日、
「景気が悪い」みたいな話をしていたとき、
FXの話が持ち上がってきました。
「今、FXで300万程損している」
その方から唐突に衝撃の事実を聞かされます。
300万円。
普通のサラリーマンにとってとてつもなく大きな金額です。
あまり深くつっこんで聞くのはどうかと思いましたが、
少しだけ聞いてみました。
何故、そんなに損しているのか?
何でもドル・円が80円台だった頃、
もうここからは円安に動くしかないだろうと思い、
たくさんの「買い」ポジションを持ってしまったそうです。
80円台の頃(というより、100円を割った頃から)、
証券アナリストなる方々が、
ドル円が底に来ているので、
「今やるならFX」みたいなことを
言っていました。
当時の私のまわりでも、そんなことを言ってFXがどうこうと言ってた人が何人かいました。
今のうちに円を買っておいて、安くなったら売る。
中長期的なスパンを見た投資。
しかし現状は更に円高が進み76円台を推移し、
2011年10月には、史上最高値を更新したりと、
一向に円安方向に向かう気配がありません。
通常、1円も動いたら損切りのタイミングです。
しかし、その先輩は10円以上動いても損切りをしないでいました。
底を打っていることを前提としてポジションを持った場合、
例え逆方向に向かっても、「もう戻るだろう」と安直に考え、
損切りのタイミングを完全に見失ってしまうという
典型的な負けパターンに入ってしまっているのでしょう。
そして気がつけば、含み損が300万円に膨れ上がっていた。
ただその方は、「含み損だから取り返せる」と言ってました。
それだけの含み損を持ってしまった時点で負けを認めないといけないところですが、
もう損切りをできるタイミングを完全に逃してしまっています。
何とか、強制ロスカットをまぬがれてるとのことですが、
ほとんどの資産を拘束され、やはり相当、お金に困っておられるみたいで・・・
そんな状況になってしまうと、日々の生活がFXにとりつかれたようになってしまうんでしょう。
それまで働いて貯めたお金を自由に使えないもどかしさ。
ちょっと考えたくないですね。
私も過去の取引を振り返ると、
下手したらそんな状況に陥ってしまったであろう場面がいくつも思い当たります。
この話を聞いたとき、投資は余剰資金で。
今さらですが、その基本的なことを再確認させられた次第です。
この相場だとここでポジションを持てば明らかに勝てる!
そのような根拠のない考えで、暴走してはいけません。