単純移動平均線とは
移動平均線とは、FXや株価のチャートを見る際に上げ下げのデータを平滑化することにより、相場の動向を見ることができる線です。
実際にチャートを見ると細かな動きがあり全体としてどのようなトレンドであるか素人目には分かりにくいのですが、移動平均線は滑らかな線であらわされていますので、時系列にしたがいトレンドがどういった状況であるのかを一目で判断することができます。
一般的に日足チャートを見る場合には「5日線(短期線)・25日線(中期線)・75日線(長期線)」などを使うことが多く、移動平均線により上昇・下降トレンドを判断できます。
数あるテクニカル指標(インディケーター)の中で一番単純なように思える移動平均線ですが、「単純移動平均線・修正移動平均線・加重移動平均線・指数平滑移動平均線」などの様々な種類があり、中には計算式が少し複雑なものもあります。
ただ、それら全てを覚える必要はありません。
よく使われるのが“単純移動平均線(SMA)と指数平滑移動平均線(EMA)”の2本の線になります。
まずはその二つの特徴だけおさえておきましょう。
“単純移動平均線”は算出に際しては過去の終値の平均から計算されることになるため、トレンドの変化にすぐ応じられず変化が遅くなるという欠点があります。
一方で“指数平滑移動平均線”の場合は過去の価格より直近の価格を優先した計算式となっているため、変化にすぐ反応して変化することができます。
この二つはそれぞれに特徴がありますので、「どちらだけ見る」、もしくは「こちらを見るのが正解」などとはいいにくいのですが、これらを含めた移動平均線は“サポートライン・レジスタンスライン”として機能するので、上手く活用することができます。
ゴールデンクロス・デッドクロス
移動平均線はトレンドを見極めるために使う以外に、次ページでも紹介しているサポートライン・レジスタンスラインとして活用されることも多いのですが、短期と中期の2本の移動平均線を使ってトレンド展開を判定する売買サインにもよく使われます。
上図のように、短期線(青)が中期線(赤)を下から上に突き抜けた時(ゴールデンクロス)が買いサインを表します。
その逆で、短期線が中期線を上から下に突き抜けた時(デッドクロス)が売りサインを表します。