確定申告が必要なケース

近年ではFX取引をされる方の裾野は広がりを見せており、上手な取引でしっかりと利益を出している方も多く見受けられます。

しかしその一方で、FXで稼いだ利益を税務署に確定申告しないケースも増えており、摘発されて裁判所から有罪判決を受ける事件が増えています。

そもそもFX業者は、税務当局に個々の投資家の状況を記録した“支払い調書”の提出が義務付けられています。

つまり自身のパソコンを操作して稼いだ所得は、全て税務当局に丸見えになっていますので誤魔化しようが無く、しっかりと申告しなければなりません。

ではFXにおいて確定申告が必要なケースとはどのような場合にあるのでしょうか。

まずFXで得た利益は“雑所得”に分類されます。この“雑所得”は“年間に20万円以上”の所得がある場合に課税されることになりますので、この金額を超える場合には必ず申告が必要なケースとなりますね。

また他で“雑所得”を得ている場合には、全ての雑所得の合計で20万円を超える場合に申告が必要なケースとなりますので、「他の雑所得+FX」の合計をしっかりと計算して正しい数字を記載しましょう。

確定申告は一定の給与収入がある方など、すでに申告を行っているのであれば、これまでの記述に加えて“雑所得”にFX分の利益も記入するだけですから、その場合はたいした労力ではありません。

しかし、多くのサラリーマンの方は、給与の支払者(会社)が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了しますから、通常は確定申告の必要はありませんが、20万円以上の利益を出した場合は、自分で確定申告を行う必要があります。


FXの確定申告は、同じ雑所得でも内職で収入を得た場合などと比べ、少々複雑になっています。
例えば、FXには含み益や含み損という、まだ損益が確定していない状態がありますが、取引会社ごとに為替差益やスワップ金利などの日々の決済の仕方が違います。
つまり、利益が「確定したか?」「確定していないか?」、この判定タイミングが違うのです。
この点を利用しているFX取引会社ごとに確認しておく必要があります。(大抵、ホームページ上に記載があります。)

初心者の場合は、年末までに全てのポジションを決済してしまうのもひとつの手段です。

さらに、FXはまだ新しい金融商品ということもあり、税制がよく変更されます。
例えば、店頭FX/CFD取引では損失を翌年以降に繰り越し、翌年の取引での利益と控除することができませんでした。
しかし、2012年1月以降、取引で損失となった場合、その翌年以降3年間に渡り店頭FX/CFDおよび取引所先物取引等で発生した利益からこの損失額を控除することが可能となりました。
この税制変更はトレードするにあたり非常に重要な要素となるのは言うまでもありません。


このように、FXの確定申告は、初めての方にとって複雑と言えます。
FXの税金についての解説サイトがインターネット上にはたくさんありますが、情報が古くなっているサイトを多く見受けられます。
認められる経費など地域ごとにも微妙に違うようなので、不明な点はお住まいの地域の税務署や、税理士に問い合わせてみるのが無難です。


変に税金をケチろうとすれば必ず暴かれてしまいますので、正直に払っておいた方が良いでしょう。

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